『アサツユ』第167号(2005年6月10日発行)


 【告知】 東電株主総会: 6月28日(火)午前10時 
                 東京・日比谷公会堂
 【報告】 依然進まぬ東電の情報公開!
     減肉も耐震設計も津波評価も闇の中!
 【エッセイ】 ほんとの気持
       専門校時代(5) ※
 【エッセイ】 くぬぎ平たより
       第55回 テレビ ※

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依然進まぬ東電の情報公開!
減肉も耐震設計も津波評価も闇の中!


 5月15日に東京電力との交渉が、東京電力福島第一原子力発電所内にある
「原子力広報センター」 にて行われましたので、申し入れに対する回答、及び
質疑の要点を報告します。

◎ 申し入れ事項

 a 配管減肉管理指針公開見直し
 b 津波想定概要データ公表
 c 実際に想定したチリ地震津波評価数値
 d 各サイトの港湾内の浚渫頻度と量 
 e 津波の評価数値と数値シミュレーション。断層毎の数値パラメータ公開
 f  耐震設計の見直しとデータ公開、取水口の補強工事

■ 申し入れb に対する回答

 (東電は)当日、「土木学会により策定された津波評価手法について」 とする
文書を配り説明しました。 以下はその要旨です。

  土木学会が 「原子力発電所の津波評価技術」 を2002年2月に刊行。

  ● 対象とする津波
  1) プレート境界付近に想定される地震に伴う津波
  2) 日本海東縁部に想定される地震に伴う津波
  3) 海域活断層に想定される地震に伴う津波
   なお、1)については、日本(近)海に限らず海外からの津波も考慮する。

  ● 検討方法
  1) 津波波源(断層モデルの設定)
  2) 数値計算
  3) 設計想定津波の確定
  4) 福島第一、第二地点における検討
   従来から過去最大の津波を考慮し、その結果発電所の安全に問題はない。
  さらに、土木学会作成の津波評価技術に基づき想定される最大規模の津波
  を考慮した検討も実施。

  ● 津波発生の想定位置
  ● 土木学会手法の対象とする津波
   日本近海(太平洋側)については 1)3)を対象としている。 このうち福島
  第一、第二に最も影響が大きいと考えられる三陸沖、宮城県沖、福島県沖、
  房総沖による津波について、詳細な検討を行っている。 海外からの津波に
  ついても同様の理由からチリ沖について、詳細な検討を行っている。

■ 申し入れc に対する回答

 設置許可の時には第一と第二の1号機までの設置許可書にはチリ津波と
記載されているが、評価資料が付いていない。 2号機以降は資料が付いて
いるので、コピーして配布する。 この資料は見直し内容ではない。

■ 申し入れd に対する回答

 各サイトの浚渫頻度は、第一、第二共に年2回、上期下期各1回。 浚渫1回
当たりの浚渫量は2万~3万立米。

■ 申し入れe に対する回答

 福島第一、第二における津波水位を数値評価により行い、評価結果に基づき
設備改良、手順書整備を実施済み。 発電所の安全性は確保されている。

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 5月15日行われた東京電力との質疑の要旨をQ&Aにより以下に報告します。

<津波に関する安全評価~設置許可書について>

Q  第二の方は理解したが、第一の方について説明してほしい。
A  第一の方は設置許可に添付されていない。 設計手法としてチリ地震を評
  価しますとは書いてあり、設置許可時点では過去最大規模の津波を想定し
  て設計している。 設計思想として、最大の津波を考慮した設計とする、とな
  っている。 安全審査の整理の仕方が変わったのが第二の2以降。 以後
  評価という部分が入っている。

Q  第二の2以降とは何年以降からか。
A  設置許可時点、79年くらいから80年とすると昭和55年。 チリ沖地震が
  昭和35年。 過去最大の地震やチリ地震を評価しなさいとは書いてある。
  評価して設計しているが、設置許可に付き始めたのが、福島では第二の2
  以降。

Q  評価した文書はあるということか。
A  評価の段階では別の資料になる。

Q  設置許可以外に津波に関して評価している文書はあるのか。
A  それはよく分からない。

Q  設置許可以外の文書で評価して安全というのであれば、評価した文書の
  公表を。
A  データを出して説明する、そういう評価手法を当時やること自体法律で決
  まっていない。 史上最大の津波はチリ、それをクリアする設計とするという
  ことを方針として謳っている。

Q  史上最大の津波を考慮して安全というのであれば、それを担保する文書
  を提出してほしい。 断層モデル毎の津波についてのシミュレーション資料
  を提出してほしい。
A  モデルが出せるかどうか分からない。 土木学会で評価技術について刊
  行している。

<配管減肉管理指針の公開について>

Q  配管減肉公開指針の(非)公開を見直ししてほしい。
A  管理指針はノウハウがあるので公開しない。 変更点については、前回の
  説明の通り。

Q  県に開示しているのに市民に開示しないとはなぜか。
A  行政当局、規制当局が(一般に)預かったとしても、個人情報や企業とし
  てのノウハウに関わる部分を一般に公開することはあり得ないと考えてい
  る。

Q  市民が行政に情報公開条例に基づき開示請求すると公開されるのでは
  ないか。
A  その中にあっても、ここはマスキングしてくださいねというところは当然あ
  って然るべき。

Q  国で言っていることと違っている。 平成15年3月 「今後の応力腐食割
  れに対する検査技術対策の課題と対応」 (「原子力発電設備の健全性評
  価について~中間とりまとめ~」(保安院)の54頁以降)
 の中で暫定開示
  情報の共有化を謳っている。
A  意味が違う。 一般の情報公開というところまで踏み込んでいない。 行
  政や原子力企業など原子力発電に携わるものが技術水準を向上させる
  ために知見を共有するという意味。 市民に情報を公開すると、どこに流
  れていくかわからない。

Q  配管減肉管理指針の見直し、全数点検をしてください。
A  減肉管理の対象箇所全数から、類似性に基づき代表箇所の出現を行い、
  これらを管理することにより全体を管理している。 対象の絞り込みの妥当
  性について新たな知見が見られた場合には、範囲を広げて新たに絞り込
  みを行う。

<耐震設計の見直しとデータ公開、取水口の補強工事について>

A  安全性については、国による安全審査を通じ安全性は確保。 平成7年
  現行の指針を見直し、その評価にも適合している。 今後も最新の知見に
  基づき見直しを行っていく。 国が耐震設計について議論している。 結果
  を見て、必要があれば対応する。
Q  国が安全性評価をしているから安全、という論法はおかしい。 

その他、被曝線量の増減についての質問があり。           (斉藤)
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