『アサツユ』181号 (2006年9月)

『アサツユ』第181号を2006年9月10日に発行しました。

 【報告】 超音波検査に無理がある維持基準は時期尚早!
     ~原発老朽化対策を保安院に聴く会、意見相次ぐ~
 【報告】 福島第一原発4号機でのトリチウムの大量放出と3号機の制御棒
     破損金属片の未回収運転に抗議
 【紹介】 材料は劣化し、装置は故障するもの
     ~井野博満氏の講演から~
 【エッセイ】 くぬぎ平だより 第69回 熱中症

 ※ 報告と告知を全文掲載します。
   下の 『アサツユ』181号から をクリックしてご覧ください。




【告知】 JCO臨界事故7周年集会
     ~老朽化した東海第2原発にプルサーマルはいらない!
 
 ● 9月24日(日)13時30分開会 15時30分村内デモ出発
 ● 会場:東海村 真崎コミュニティセンター (電話029-283-4477)
 ● 講演:小林圭二さん(元京都大学原子炉実験所)


【告知】 東電交渉

 ● 9月25日(月)午前10時 福島第一原発サービスホール 集合


【告知】 「六ヶ所村ラプソディー」
 
 ● 10月21日(土)~同月27日(金) 福島フォーラムで一日2回上映
 ● 21日18時30分からの回 鎌仲ひとみ監督と清水修二氏との対談あり
   (詳細次号)

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【報告】 超音波検査に無理がある維持基準は時期尚早!
     ~原発老朽化対策を保安院に聴く会、意見相次ぐ~

 東京電力は維持基準導入を立地4町に強く働きかけており、導入反対の意見書
を国に出した県議会も自民党内で9月議会中に容認論で取りまとめようとする動き
が出てきました。

 こうした中、8月18日、いわき市文化センターで「原発の老朽化対策を原子力
安全・保安院に聴く会」が開かれ、経済産業省原子力安全・保安院の福島第一と
第二の原子力保安検査官事務所から所長2人が出席して説明しました。

 参加した市民は、制御棒破損、応力腐食割れ、維持基準、検査制度の見直し
など原発の老朽化対策を原子力保安検査官から聴いたあと、質疑応答で率直な
疑問点を質しましたが、保安院の原子力安全行政への姿勢と施策内容に批判が
相次ぎました。

[質疑応答抄]

Q: 制御棒破損報告の遅れは何か。破損部分の未回収のままの健全性評価は、
  都合がよすぎないか。燃料被覆管にひっかからないという技術的評価も不明
  だが、保安院はそうした技術力があるのか。
A: 行革の中で保安院は安全・安心部分の予算を要求している。電力会社の意識
  改革が必要だ。検査官の技量はある。新採用とメーカー等から中途採用があり、
  自分は17年勤務で半分は原子力行政で、電力の言いなりというのは悔しい。

Q: 検査官の技量はあるというが、高速中性子の計測の仕方は知っているのか。
A: 知らない。

Q: 維持基準は時期尚早だ。超音波探傷試験(UT)が不正確でUT自体に無理が
  ある。作業員の被曝も高レベルだ。第二原発3号機再循環配管全周ひび割れ
  も問題ではないか。
A: 再循環配管は維持基準導入の実施を遅らせた。ひび割れ測定認定制度(PD
  制度)を導入した。第2原発3号機の再循環配管全周ひび割れの見落としは
  真摯に反省している。

Q: 安全審査を今後どうするのか。
A: 寿命評価等技術基準を明確にしたい。

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【報告】 福島第一原発4号機でのトリチウムの大量放出と
     3号機の制御棒破損金属片の未回収運転に抗議


 8月21日福島第一原発サービスホールでの申し入れ行動について報告します。
冒頭「福島第一原発4号機でのトリチウムの大量放出事故」と「福島第一原発3号
機、ハフニューム制御棒欠損片未回収運転再開」の2件に対する抗議文を東京
電力に手渡しました。

 ●東京電力は推定の具体的根拠を示せ

 先ず、第一原発3号機運転再開の件ですが、前回私達がダイジェスト版の説明
ではなく、解りやすく且つ詳細な説明を求めた事も有り、今回は略図を使用しての
説明となりました。「制御棒の未回収金属片が燃料棒に衝突し破損する恐れは
完全に無いとは言えないが可能性は極少ない」 「金属片は極軽量のため原子炉
内の水流に乗って流れてしまう」 等とし、経路についての説明をしました。しかし、
何らかの実験等の具体的数値やデータに基づいた説明ではなく推量であり安全
安心とはなりませんでした。

 ●トリチウムの放出の保安規定は不当に低い

 東京電力は、今回のトリチウム放出事故に対して陳謝しつつも「保安規程以下
で有り、人体への影響は無い」としています。しかし今回の放出量は通常環境の
5万倍の470億ベクレルと異常に高く、保安規定自体信頼到底の置けるモノでは
有りません。

 ●事故原因は機器の故障も併発した管理ミス

 今回の事故原因の一つとして、東京電力は「除染純水入り口弁の操作ミス=
使用後絞めるものが空けたままだった」 としました。しかし、同一箇所について
いる逆止弁の不具合もあった事も発表され、単なる人為的なエラーではなく
管理体制の問題であることが判明。

 ●またもや想定外事故

 東京電力は今回報告が遅れた原因として、供給側の積算水量計と出口側の水
量が合わなかった事に拠り判明。壊れていた逆止弁の管理規定は、放射性物質
の漏出を想定していない部分なので保守点検規定は分からないとしている。 

疑問その一  何故発表まで一週間かかったのでしょうか。
疑問その二  東京電力福島原発内に弁は幾つあるのでしょうか。そしてどの様
         に管理しているのでしょうか。

真相は闇の中です。事態は深刻です。(斎藤記)

東電への抗議文
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by nonukusfukushima | 2006-09-12 19:03 | 『アサツユ』