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原子炉起動の中止を求める抗議書

2010年9月17日
東京電力株式会社 社長 清水 正孝 殿 

使用済みMOX燃料をつくるな!
福島第一原発3号機での
プルサーマル実施と原子炉起動の
中止を求める抗議書


貴社は、運転開始34年の老朽原子炉である福島第一原発3号機で、
プルトニウム・ウラン混合酸化物燃料(MOX燃料)を燃やすプル
サーマル計画を実施するため、本日9月17日23時に原子炉を起
動し、10月26日に営業運転を開始するとしています。

貴社は、福島県のプルサーマル受け入れ3条件について「安全確保
上支障がない」とし、福島県もこれを追認しました。 しかし、12
年前に製造されたベルゴニュークリア社製MOX燃料の品質保証に
関する検査データが依然として非公開のままであり、高経年化対策
報告書における新耐震指針による耐震安全性評価も未だ提出されて
おりません。 さらに、新耐震指針による再循環系配管の耐震強度
の未評価など、未確認部分を残し3条件すら完全に満たしていない
のが実態です。

明らかに県民の安全・安心に対する軽視であり、見過ごすこと
はできません。

そもそも軽水炉でのMOX燃料の利用は、制御棒の効きが低下し出
力変化が急激になるなど、原子炉の安全余裕を減らします。 プル
サーマルは事故のリスクを拡大し、事故の際の被害面積も4倍に広
がります。 世界の沸騰水型軽水炉で現在もMOX燃料を使用して
いるのは、ドイツのグンドレミンゲン原発のみです。10年以上貯
蔵の古い燃料を老朽炉で使うのは、世界初の実験です。

また、プルサーマルの前提となる我が国の核燃料サイクル計画は、
六ヶ所村再処理工場の溶融炉の欠陥により完全に行き詰まりました。
原子力委員会の近藤委員長は、使用済MOX燃料を処理する
第2再処理工場について、10年かけて検討すると公言しており、

使用済みMOX燃料の再処理の見通しは全くたっていません。 こ
のままプルサーマルを実施すれば、ウランの使用済み燃料に比べて
数倍も放射能が強く、発熱量も多く、より性質の悪い、使用済み
MOX燃料は発電所に残されます。 福島県が「核のごみ捨て場」
になることは明らかです。 これ以上、子孫に負の遺産を残しては
なりません。

福島原発では、外部電源全喪失事故はじめ作業員の放射線内部
被曝、放射能汚染水の水漏れ等
次々に事故が続発し安全
管理体制の不備が問題になっています。 老朽化に伴う配管や使用
済み燃料プール水の漏洩による環境汚染の危険性も指摘されていま
す。

いま、プルサーマルを実施することは、安全・安心を願う県民の心
を踏みにじるものです。


わたしたちは、貴社が県民の反対を押し切って、MOX燃料を
装荷した福島第一原発3号機の原子炉起動を強行しないよう
強く求めます。 処理方法の決まっていない使用済MOX燃料
をつくらないことを求めます。


福島を核のごみ捨て場にしてはなりません。

以上

(23の申し入れ団体は後日アップします)